2011年11月04日
泣ける創業プレゼンテーション
Aさんは、介護タクシー黎明期に開業されました。当時はまだ、介護タクシーという存在の認知がされておらず、また福祉タクシーと名乗っていたこともあり、代金をちょうだいしよとすると、だまされた!という対応を、されたこともあるそうです。
介護タクシーは個人事業主が基本ですので、予約がすでに入っていたところに新たな依頼をいただいたときは、断らなくてはなりません。そのために、個人事業主同士でグループを作り、お互いに仕事を融通しあうことをしているのが通常です。
Aさんは、グループの中で一番後輩の面倒見がよい方でした。新規開業者がグループに入ってきて、食べられていないとの話を聞けば、自分についていたお客様を譲ってまで、その方の面倒をみる方でした。
Aさんの奥さんは、看護士。生活費はほとんど奥さんが賄っていたそうです。Aさんが、あいつが食えていないらしい何とかしないと、つぶやくのを聞くたびに、ウチだって食えてないじゃないと言い返していたそうです。でも、Aさんは、ウチはおまえがいてくれるから何とかなる、と取り合いませんでした。
やっと、人の面倒もみながら、介護タクシーが軌道に乗ってきたというところで、Aさんに病魔が襲います。急性の悪性腫瘍が胃に出来たというのです。手術しないで余命3月、成功して1年ということでした。
死期を悟ったAさんは、手術を受け成功。
退院後、後進の指導に今まで以上に力を入れます。薬の副作用なのか、合併症なのか、血栓ができてしまう病気にも襲われ、透析を受けないと足が鬱血してしまうようになってしまいました。透析を1日かけて受けて、翌日指導にいく。後輩の助けにいく。大震災直後の3月20日には、仙台の後輩を助けにいかれています。
余命一年と言われたにもかかわらず、Aさんは一年半生きました。後に残ったのは一台の介護タクシーでした。
残された看護士の奥さんは、そもまま病院勤務を続ければ、お一人でも生活できるでしょう。しかし、彼女はどうしても夫の介護タクシーの廃業届けを出すことができませんでした。これほど、Aさんが愛した介護タクシーと自分が離れていきるのは、Aさんを裏切るような気持ちになってしまうからでしょう。
奥さんは決意しました。夫の介護タクシー事業を承継することを。夫の手伝いはしていたのでサービスの仕方はわかります。しかし、経営なんてやったことはありません。そこで、東京都が実施するTOKYO起業塾に参加したのです。
私はその起業塾のメイン講師です。起業塾の最終日、6名の方に事業プランのプレゼンをしていただくのですが、奥さんがその一人に選ばれました。奥さんは、生まれて初めてプレゼンをされたそうです。その手はかすかに震えていました。収支計画もまだまだあまいモノでした。しかし、6人中一番思いが伝わってくるプレゼンでした。
私は、こう講評しました「介護タクシーという職業が世の中で求められている限り、きっとあなたは成功するでしょう。なぜなら、この業界では、女性でさらに看護士資格者というだけで、十分な差別化要素であるからです。さらに、きっとご主人が今まで周りの方に注いだ愛が、きっとあなたに返ってくるでしょう。だから、心配することはありません。もしも、わからないことがあれば私に連絡してください。可能な限り私はあなたの力になります。」
恥ずかしながら、この言葉を私は思いが高まって声が出ませんでした。私は、起業しても成功しそうになり方には、はっきりと考え直した方が良い、と言うようにしています。奥さんへの言葉は心からそう信じての言葉です。頑張ってほしいです。私も応援します。
改めて事業っていいな、と思いました。その事業を継ぐことで、その方の意思や思いを継げるのですから。
介護タクシーは個人事業主が基本ですので、予約がすでに入っていたところに新たな依頼をいただいたときは、断らなくてはなりません。そのために、個人事業主同士でグループを作り、お互いに仕事を融通しあうことをしているのが通常です。
Aさんは、グループの中で一番後輩の面倒見がよい方でした。新規開業者がグループに入ってきて、食べられていないとの話を聞けば、自分についていたお客様を譲ってまで、その方の面倒をみる方でした。
Aさんの奥さんは、看護士。生活費はほとんど奥さんが賄っていたそうです。Aさんが、あいつが食えていないらしい何とかしないと、つぶやくのを聞くたびに、ウチだって食えてないじゃないと言い返していたそうです。でも、Aさんは、ウチはおまえがいてくれるから何とかなる、と取り合いませんでした。
やっと、人の面倒もみながら、介護タクシーが軌道に乗ってきたというところで、Aさんに病魔が襲います。急性の悪性腫瘍が胃に出来たというのです。手術しないで余命3月、成功して1年ということでした。
死期を悟ったAさんは、手術を受け成功。
退院後、後進の指導に今まで以上に力を入れます。薬の副作用なのか、合併症なのか、血栓ができてしまう病気にも襲われ、透析を受けないと足が鬱血してしまうようになってしまいました。透析を1日かけて受けて、翌日指導にいく。後輩の助けにいく。大震災直後の3月20日には、仙台の後輩を助けにいかれています。
余命一年と言われたにもかかわらず、Aさんは一年半生きました。後に残ったのは一台の介護タクシーでした。
残された看護士の奥さんは、そもまま病院勤務を続ければ、お一人でも生活できるでしょう。しかし、彼女はどうしても夫の介護タクシーの廃業届けを出すことができませんでした。これほど、Aさんが愛した介護タクシーと自分が離れていきるのは、Aさんを裏切るような気持ちになってしまうからでしょう。
奥さんは決意しました。夫の介護タクシー事業を承継することを。夫の手伝いはしていたのでサービスの仕方はわかります。しかし、経営なんてやったことはありません。そこで、東京都が実施するTOKYO起業塾に参加したのです。
私はその起業塾のメイン講師です。起業塾の最終日、6名の方に事業プランのプレゼンをしていただくのですが、奥さんがその一人に選ばれました。奥さんは、生まれて初めてプレゼンをされたそうです。その手はかすかに震えていました。収支計画もまだまだあまいモノでした。しかし、6人中一番思いが伝わってくるプレゼンでした。
私は、こう講評しました「介護タクシーという職業が世の中で求められている限り、きっとあなたは成功するでしょう。なぜなら、この業界では、女性でさらに看護士資格者というだけで、十分な差別化要素であるからです。さらに、きっとご主人が今まで周りの方に注いだ愛が、きっとあなたに返ってくるでしょう。だから、心配することはありません。もしも、わからないことがあれば私に連絡してください。可能な限り私はあなたの力になります。」
恥ずかしながら、この言葉を私は思いが高まって声が出ませんでした。私は、起業しても成功しそうになり方には、はっきりと考え直した方が良い、と言うようにしています。奥さんへの言葉は心からそう信じての言葉です。頑張ってほしいです。私も応援します。
改めて事業っていいな、と思いました。その事業を継ぐことで、その方の意思や思いを継げるのですから。
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この記事へのコメント
1. Posted by ティアラ 2011年11月04日 20:43
純粋に感動しました。
事業の成功の大きな要因のひとつは経営者の「思い」ですよね。
事業の成功の大きな要因のひとつは経営者の「思い」ですよね。
2. Posted by Tomo 2011年11月05日 16:27
胸があつくなり、思わず書き込みせずにはいられませんでした。本当に事業って良いですね。いつもためになる記事を有り難うございます。
3. Posted by 大石幸紀 2011年11月05日 16:52
ティアラさん、ありがとうございます。シンプルなお褒めの言葉が純粋に嬉しいです。
TOMOさん、こちらこそ、いつもありがとうございます。励みになります。
TOMOさん、こちらこそ、いつもありがとうございます。励みになります。




